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Goodfellas House Choose One!

ちょっとしたサウンドトラックとその作品についてのコラムです...

トランス 愛の晩餐 ウォーゾーン 虐殺報道
主演   ヴァージニア・マドセン
監督   スティーブ・バロン
音楽・スコア ジョルジオ・モロダー
 
監督   ダンカン・ビギンズ
音楽・スコア ハワード・ショア

 おぢさんは覚えているゾ。
 忘れないゾ。
 そう、あれは1984年のサンフランシスコのアパートにおぢさんは一人で逃亡犯のように、ひっそりと暮らしていた。
 隣の部屋はマイルズっていう平凡なボンクラ・サラリーマンが住んでいた。
 彼はおぢさんが知る限り全く無趣味であり毎日、会社に遅刻しているようなボンクラ君だったね。
 ところがある日、彼は一念勃起、いや奮起して馬鹿でかいパソコンっちゅうコンピューターなる物体を買いおった。
 おぢさんは近所のエロ本屋には詳しいが、ハイテクな電化製品は全く知らないのだが、このパソコン、スケジュール管理から戸締り、チェスの相手から冷暖房管理まで出来てしまう、まるで家政婦みたいな優れモノ。
 オマケに心も意思もあり、喋る!喋る!
 おぢさんは驚いたね!
 「これは「プッシー・トーク」!喋るオ○○コやんけ!キューブリックの秘蔵っコのハル君や!」

 

 マイルズ君、パソコンをエドガーと呼び毎日、仲良く会話して遊んでてある日、マイルズ君の上の偕にメッチャクチャカワイイマデレーンという女の子が越してきた。
 まーおぢさんは驚いたね。
 この世にこんな美人でカワイイ女の子が居たなんて。
 おぢさんが愛読している金髪娘のエロ本の中にもこんなカワイイコは居なかったもんね。
 スラリとしたボディにふわふわの長いブロンド髪。
 そして大きなブルーのお目目。
 そして彼女はチェロ奏者!
 すっかりおぢさんは、恋に堕ちたねえ。
 心底彼女の部屋を覗き見したい!
 彼女の裸体を演奏したい!と思ったねえ。
 たまんねえや。
 毎日が愉しいぜ。

 
 ところがおぢさんが定食屋が帰ってくると知らん間にマデレーンちゃんとマイルズ君がいい仲になってるじゃあーりませんか!
 二人を尾行すると仲良くスーパーでお買い物、ディナーも愉しんでるやないの!
 あのメガネのボンクラ野郎!許さんぜよ!と真夜中の大空におぢさんが吠えると何とパソコンの分際のエドガーも彼女に恋してやんの!
 ハァ!?おぢさんの恋のライバルはパソコンかいな…
 おいおい…カンベンしてぇな…
 
 

 おぢさんもマイルズ君に負けじとマデレーンに声をかけて愛の告白をしようにも緊張して声が出ない。
 あ゛ーあんな可愛いコを目の前にしたら緊張してしまって「あ、あ、あの生ゴミ出しは何曜日でしたっけ?」なんてどーでもいいことをカマしてしまう!
 明日こそは!
 でもでももうマデレーンとマイルズ君、何度もデートを重ねアパートの前で熱いKISSも披露。
 あ゛ー部屋の中からアハンウフンと愛のミュージックも奏で出したやんかいさ。
 アカン生きる気力が無いわ。
 エドガー君、パソコンでもええわ、友達になろうや…とマイルズ君の留守に部屋に入るとエドガー君、「LOVE IS LOVE」っちゅうマデレーンに捧げるラブ・ソングを歌うやないの。
 「アカンよ。そんなことしてももうあの二人は.....」
 でもこの歌、彼女はマイルズ君が作ったと勘違い。
 さらに二人の絆は強くなった。

 
 
 そんなこんなんでマデレーンとマイルズ君、二人して同棲する為に引越しすることになりました。
 そのことを知ったパソコンのエドガーは自爆。
 もぬけの殻になったアパートの部屋でおぢさんは打ちのめされて、ヤケ酒のワンカップ大関をガブ飲みしましたよ…

 

 おっちゃんは今でもあん時を忘れへんでえ。
 それはのうおっちゃんが、アメリカのド田舎の山ん奥で山篭り生活、5周年目を迎えた1986年やった。
 その山はのう、キレイな湖があってな、時々近くの全寮制お嬢様・女子高校生がスッポンポンで水浴びをするさかい、おっちゃんは木陰から自慢のベータ・8ミリヴィデオ(It's A S○ny)で盗撮するのが、ムッチャ愉しみやってん。

 
 ほいで時々、メッチャ美人で可愛い女の子が、湖に浮かびながら摩訶不思議な自我撮りをしてやってん。
 おっちゃんは「ワシは村西監督の弟子やで!」とそのコの撮影をしたかってんけどスズメの心臓よりもちっこいハートやもんで何も言われへんかってん。
 やもんで時々そのコの自我撮りをいつも木陰でジーっとねっとりとした視線で盗撮するのが、唯一の愉しみやってんけど。

 その内、そのコの名前はリサっていうのを知ったンや。
 ええなあリサって名前は。
 でもなある日、ワシの愉しみを奪うボケが出てきてん。

 そのボケはな、やはり森ン中にある少年鑑別所のなジョーっちゅうガキや。
 こやつもな鑑別所恒例の森の清掃の時にリサの湖の自我撮りを発見しよってん。
 それからワシよりもええ場所でかぶりつきで観てやがんねん。
 そやからある日、リサがヤツの視線に気が付きよってん。
  …その時な、何か二人には恋の炎が点火されたみたいやねん…
 恋のプロ・ファイターのこのおっちゃんが、感じるもんやさかい、間違いない…
 ジョーっちゅうガキ、男前なんがムカつくやんかいさ…

 
 

 おっちゃんが危険を承知の助の死ぬ覚悟でリサの全寮制高校に忍び込んでリサのパンツでも盗もうと校内に侵入すると何と!鑑別所と合同で体育館でダンス・パーティーをやっとるやないか!
 アカン、リサの身が危ない!とおっちゃんは乱入したかってんけど勇気があらへん。
 その時やリサとジョーが、うっとりと見詰めあい、踊り始めたんや。
 BFMがブライアン・フェリーの「スレイヴ・トゥ・ラブ」や。
 外道の景山民夫の「恋の奴隷」やがな。
 案の定、リサとジョーは恋のファイヤーで燃え上がってもうた。
 それからや二人はこっそり抜け出しては、山小屋で落ち合うようになったんや。

 
 おっちゃんは二人の恋のファイヤーを鎮火させようと「ワシはスティーヴ・マックィーンや!「タワーリング・インフェルノ」!」と山小屋に飛び込もうとしたら、中からアハン、ウフンが聞こえてきたんや。
 それで覗くとなローソクの炎の前でやな二人は、スッポンポンでファイヤー・ウイズ・ファイヤー!ジョーのアレがタワーリング・インフェルノ!やったで。
 その日からや、おっちゃんは、真夜中に山小屋で二人の盗撮を始めたんは。
 でもなある日、鑑別所の鬼瓦みたいな保安員がライフル片手にジョーの脱走を発見してな、二人を引き裂いたんや。
 ザマーみされせ!ええ気味じゃ!とおっちゃんは喜んだけどな、もう二人の恋の炎は誰か知らんが、さらに油を注いで炎が燃えあがったんや。
 もう誰にも消火されん位に。
 誰やいらんことをやったんは!(後にジョーの友達と判明。)
 ジョーは車を盗み出しリサを乗せて逃走。
 おっちゃんも負けじと原付バイクと追跡や。
 二人は別の山奥の山小屋で愛の生活を始めたんや。
 うーん、ナンかムッチャ羨ましいがな!
 でも腹も立つ。
 夜は夜で山小屋からリサの甘いウッフンが漏れる。
 翌朝、おっちゃんは地元警察に勿論、密告したった。
 「あの山小屋に二人、おりまっせ。」とな。
 警察に感謝されてな「どや二人を捕まえるのをアンタも見る?」とシェリフに言われたもんやから「喜んで」で付いていったったわ 。
 二人は断崖絶壁に追い詰められてな「投降せよ!」と叫ばれた瞬間、二人はお手手繋いで絶壁を飛び降りたんやがな!
 こりゃアカンがなと驚いて下見たら、流れの速い川やった。
 地元警察も「あちゃー、こりゃ二人は確実に溺死やな」と諦めて帰ってもうたんや。
 
 
 それから1か月後やった。
 「リサってええコやったなぁ」と一人、リサの盗撮写真を眺めている時、外からリサの同級生達が「リサとジョーはLAに居るんだって?それにケッコンもしたって。ポストカードも来たよ!」とキャッキャ言いながら知りたくもないことを言いよった…
 あ゛ー、今夜もヤケ酒や。
 酒のアテはポテチでええよ…

 1980年代は『ザナドゥ』『フェーム』『アーバン・カウボーイ』などのサウンドトラック・アルバムが大ヒットしアルバムから何枚ものシングル・カットをも生み出してヒット・チャートを埋め尽くしておりました。
 アルバムにはロック、ポップ・アーティストの新曲がたっぷりと納められており映画の枠を跳び越して、様々なファン層にアピール。
 1983年から84年には『フラッシュダンス』『フットルース』の2大メガヒット・アルバムが登場してマーケットを独占。
 MTVブームでもありまさにサウンドトラック・アルバムは売れまくっていたのでした。

 

 そんなホットな1984年に『エレクトリック・ドリーム』のアルバムがリリース。
 映画自体はイギリスのレコード・レーベルでもあるVIRGINが、製作しており勿論、アルバムもVIRGINよりリリース。
 スコアは『フラッシュダンス』を大ヒットさせたジョルジオ・モロダーがここでも登板。
 アルバムには3曲収録されておりますが、特に「マデリーンのテーマ」の甘く切ないメロディは、さすがの腕前。
 追い越せ!『フラッシュダンス』の様にモロダー以外の豪華アーティストが新曲で参加しており数枚のシングルが7インチ、12インチでカットされております。

 

  メイン・タイトルとエンド・タイトルに流れるタイトル・テーマのP.P.アーノルドのブラック・フィーリング溢れるソウル・フルなナンバーにまず身を乗り出しますが、ELOのジェフ・リンのナンバーも心地いいですね。
 でも「LOVE IS LOVE」カルチャー・クラブがベスト・ソングかも。
 確かにヴォーカルのボーイ・ジョージは当時から女装趣味のド変態ですが、ホワイト・ソウルのシンガーとしては最高でしょう。
 このモータウン・タッチのスモーキー・ロビンソンみたいなソウル・バラードはエンドレスで聴いてしまいます。
 「TOGETHER IN ERECTRIC DREAMS」は大ヒットしましたが、意外にもヒューマン・リーグのフィリップ・オーキーとモロダーのコンビのナンバーでした。
 ワールド・ワイドにリリースされたアルバムはイギリス、日本では初回プレス盤では豪華なヴィニール製の別カヴァーに覆われていたのも当時話題になりました。
 イギリスではCD化も速かったですね。
 でも確かにヒット・アルバムではありますが、完全に映画自体が置き去りにされております。
 付け加えるとモロダーは1984年に来日した際、最近の担当した映画音楽について聞かれると
 「私は『スカーフェイス』に入れ込んでいるんだ。ブライアン・デ・パルマとの仕事は刺激的だった。その点『エレクトリック・ドリーム』は満足していない。」
 おいおい髭のモロダー、なんてことを言うの!?

 
 
     
 
   
 
 1986年に登場した『禁じられた恋』は日本では地方のみのスプラッシュ公開の為か知る人ぞ知る隠れ作品でありましょうか。
 作品自体の舞台が都会ではなく大自然に、囲まれた山々がほとんど為かスコアのハワード・ショアはオープニングからピアノの優しい音色をメインに美しいオーケストレーションでエレガントに描写しております。
 今では『アフター・アワーズ』('85)から組むマーティン・スコセッシ『ロード・オブ・ザ・リング』('01)他で組むピーター・ジャクソン、忘れてはならない『スキャナーズ』('81)から組んでいるデーヴィッド・クーロネンバーグら個性的な監督とのコラボレーションを続けるショアは立派な巨匠であります。
 でも最も忘れられた、語られない作品はこの『禁じられた恋』と言えるでしょう。
 
 
 
     
 
 ショアのスコアよりもこの青春映画は、体育館でのダンス・パーティのBGMでその個性を大いに発揮します。
 プリンスステファニー・ミルズヒューイ&ルイスらのナンバー連続して流れるとトドメはブライアン・フェリーの「SLAVE TO LOVE」に合わせて踊る主人公二人。
 やっぱフェリーの女殺しのこのナンバーは、同年『ナイン・ハーフ』でも印象的に使用されておりました。
 残念ながらサウンドトラック・アルバムはリリースされておりませんが、主題歌がシングルでリリースされておりました。
 歌と演奏は一発屋のWILD BLUE
 でもこの当時で言うとアン・ウィルソンのハートパット・べネタージョーン・ジェットばりのウーマン・シンガーのハードでスピーディなロック・ナンバーで最高です。
 映画の原題と同じの「FIRE WITH FIRE」
 カナダではジャケット付きのシングルでリリース、日本では映画公開前にリリースされた為、ジャケットはアーティスト・ジャケット 。
 アメリカではプロモ用だけのリリースでシングル及びロング・ヴァージョンの12インチでもリリースされておりました。
 今でもハートの「NEVER」と合わせてこのWILD BLUEのナンバーを聴くと燃え上がります。

 ヴァージニア・スリムと呼ばれた1980年代の孤高のアイドル・アクトレスはヴァージニア・マドセンなんですよ!
 真夜中の大空に叫ぶ今宵、あの日の若き日のハートはタイム・スリップ。
 80年代は女子も男子も海外のアイドルにそれはもう夢中になったものでした。
 女子はマット・ディロンラルフ・マッチォクリストファー・トーマス・ハウエルトム・クルーズらのブラット・パックと呼ばれた連中やマイケル・J・フォックスらの乙女心を奪われ、男子はダイアン・レインソフィー・マルソーフィービー・ケイツらに自らの若きエネルギーを夜空にスプラッシュ!しておりました。
 そんな1984〜86年にヴァージニア・マドセンの『エレクトリック・ドリーム』『禁じられた恋』がめでたく日本公開されたのにも関わらず、ヴァージニアに惚れた男子はほとんど居りませんでした。
 何故ならヴァージニアは美人過ぎたからなのです!

 

 80年代の男子が好きなアイドルはクラスで3番目くらいのカワイイコ。
 つまり告白しても「何とかなるんじゃない?」の親しみやすいコ 。
 その点、ヴァージニアはクラスでトップどころか校内・ナンバー・ワン!クラスの孤高の美人。
 優雅な肢体と美しいブロンド。
 こんな女のコに声をかけるなんてムリムリ、ましてや付き合えるなんて100万年早いわ!
 そうヴァージニアは「エースをねらえ!」で例えると竜崎麗華お蝶夫人なのであります。

 

  そんな美貌の為かアメリカでもさほど人気は上がらず、出演作も『スラム・ダンス』('87)、『灼熱の女』('89)、『ラブ・キルズ』('91)、『ホット・スポット』('91)、『魔性』('92)、『リンダ』('93)等どれもが悪女役であり、多額の保険金をかけては亭主をブチ殺す鬼嫁役を得意としておりました。
 それに加えて実の兄が、あの歌舞伎町の耳削ぎ男のマイケル・マドセン!と分かると世間の男はもうドン引きでした。
 それはもうヴァージニアに言い寄る男達をブチのめしていたのは、兄貴のマイケルでもありました。
 「オレの妹に何しやがる!ケッコンしたけりゃオレの面倒も見やがれや!」と凄まれたらそりゃあ逃げますよ。
 いくら妹が美人でも絶対に「彼女の兄貴だったら、最悪な二人」マイケル・マドセンとレイ・リオッタなのですから。

 
 
 そんな孤高のヴァージニアも長らく不遇の時代が続きましたが、2004年の『サイドウェイ』で優柔不断なダメブ男のポール・ジアマッティを励まして自信を持たせる「ワイン通の情け深い、ええ女」を演じて 好感度をグーンとアップ。
 80年代の竜崎麗華も本当に親しみやすくなり、さらに美しい女性となりました。
 あの1984年から、約30年の時を得てヴァージニア・スリムと呼ばれた彼女は、今ではヴァージニア・ドスコイ!となりましたが、その新たな美しさで今でも、眩しいくらいに美しいのであります。