しかし現在、追加曲を大幅に増補した「メガ盛り・完全盤」のCDが大量にリリースされているのにも関わらず、本作のCDは未だに1969年の時計が止まったままだ。
誰しも今の時間に合わせようと試みていた内にジョン・バリーは、帰らぬ夜行バスへと乗車してしまった。
あのテーマのアレンジが漏れているんだ、バリーでは無いが、あのサイケデリックな電子音楽(Sear Electric Music Production)も聴きたいんだ、フロリダのオレンジ・ジュースの歌も…こんな声も誰も聴いていないのか。 完全盤・CDは、叶わぬ夢なのか。
ラッツォが夢見たフロリダの砂浜を走れなかったように…
そして意外にも1970年、ダスティン・ホフマン主演の「ジョンとメリー」のサウンドトラックのシングルのBサイドに「CRAZY ANNIE」(クレイジー・アニー 真夜中のカーボーイによせて)という曲がリリースされている。
女性歌手のエヴィー・サンズが歌うこの曲は、ジョーの故郷の恋人…いやジョーがそう思い込んでいるだけの、街中の男と関係を結んでいた女・アニーの歌。
歌詞が「You are the best joe... You are the only one...His friend's dying.......」とまるで「真夜中のカーボーイ」のアナザー・ソングのようでこれも又、聴き逃せないもの。