『フレンチ・コネクション』のドン・エリスがそうだった様に、フリードキンはサウンドトラックの経験の全くない映画界以外のミュージシャンをまたしてもチョイスした。
それがイギリスのロック・デュオのワン・チャン。
1980年代に入り、57MENというバンドで2枚のシングルをリリース後、パッとしないバンドはその後ワン・チャンとバンド名を変えてGEFFEN・レーベルから1983年にリリースしたアルバム『POINTS ON THE CURVE (航跡)』でスマッシュ・ヒットを飛ばす。
特にヨーロッパではタイトル・ナンバーがシングル・カットされ、イギリスではスペシャル・エクステンデットの12インチ・3曲入りもリリース。
この12インチ、映画でも使用されたデビュー・アルバムからのDANCE HALL DAYSのリミックス・ヴァージョンも収録した特別盤だ。
日本では映画公開時の1986年でもリリースされておらず、1987年にようやくひっそりとリリースされた。
1988年になるとCDとしてもリリースされ再びベストセラーとなるが、ワン・チャン自身の活動は停滞してしまう…
今、聴いてもこのサウンドトラック・アルバムは、決して色褪せていない。
1980年代の10年間でリリースされたサウンドトラック・アルバムの中でも異色の傑作アルバムとして、永久にL.A.の闇の中でこだましている。
そして今、世界のどこかでワン・チャンは、主題歌のTO LIVE AND DIE IN L.A.を歌い続けている。