第1回〜第10回 第11回〜第20回 第41回〜第50回
第51回〜第60回 第61回〜第70回 第71回〜第80回
第21回   第22回   第23回   第24回   第25回   第26回   第27回   第28回   第29回   第30回
第31回   第32回   第33回   第34回   第35回   第36回   第37回   第38回   第29回   第40回
 
Goodfellas House Choose One!

ちょっとしたサウンドトラックとその作品についてのコラムです...

Nosferatu: The Vampire
主演 クラウス・キンスキー
イザベル・アジャーニ
監督   ヴェルナー・ヘルツォーク
音楽   ポポル・ヴー

 それはそれはむかーしむかしのことじゃった。
 中世ドイツのブレーメンに住む不動産屋のジョナサンはの、トランシルヴァニアのドラキュラ伯爵から新しい家を買いたいと言われての、見取り図を持って長旅に出たのじゃった。
 愛妻のルーシーはの、旅立ちの前日にの、コウモリの悪夢を観てのジョナサンに行くのを止めるのじゃった。
 じゃがこの商談で大金が入るのでの、ルーシーの止めるのも聞かずにの、ジョナサンはいそいそと出かけていったのじゃ。

 
 

 やっとの思いで黒海近くのドラキュラ邸にたどりついたジョナサンをの、伯爵は丁重にもてなしてくれたのじゃった。
 じゃがの、伯爵は異様に耳が長くての、真っ白な顔は不気味での、まるで死人のようじゃったのじゃ。
 翌日の夜、商談を終えた伯爵はの、ジョナサンの持っていたペンダントのルーシーの写真に魅了されての、思わずこうつぶやいたと。
  「…なんと綺麗な首筋…」とな。

 

 ジョナサンはの、村人から伯爵は吸血鬼じゃなかろうかと聞かされていての、あまりにもアレな見た目の伯爵の事を吸血鬼じゃなかろかと疑いはじめるのじゃがの、時すでに遅しじゃったのじゃ。
 その夜、ついに伯爵はの、

 「…血ィ、吸うたろか…」

 とつぶやいての、ジョナサンを襲ったのじゃった。

 いよいよ伯爵は手下のネズミを従えての、海路を通ってブレーメンへ向かうのじゃった。
 ルーシーの危機を直感したジョナサンは家路を急ぐんじゃがの、たどりついた時には毒が回っておっての、すでに廃人じゃった。
 命を賭して夫の持参した日記を読んだルーシーはすべてを知るのじゃった。

 
 

 やがてコウモリのごとくに現れた伯爵にの、ルーシーは恐れずに応対するのじゃった。
 「…わたしを愛しておくれ…」
 という伯爵の願いにの、
 「夫を助けてくださるのなら」
 と健気なルーシーは答えるのじゃった。

 実はそのころブレーメンの街はの、伯爵が持ち込んだネズミのペスト菌のせいでさながら地獄絵図のようじゃった。
 そこでルーシーはの、夫と町を救うために悲しい決心を固めるのじゃった。

 

 ある夜ルーシーは伯爵を誘惑しての、寝室に誘い込むのに成功したのじゃった。
 願いの叶った伯爵はの、ルーシーにこうつぶやいたと。

 「…血ィ、吸うたろか…」

 そしてルーシーはの、ルーシーはの、夜通し血を吸われ続けたと。
 長い夜が明けての、ルーシーは息絶えたのじゃった。
 じゃがの朝日を浴びて苦しむ伯爵も道連れにしたのじゃった!
 これが命をかけたルーシーの献身じゃったのじゃ…

 

 じゃがの、その時、おそろしいことが起こったのじゃった!
 廃人同様じゃったジョナサンがの、新しい吸血鬼となって蘇ったのじゃった!
 ジョナサンはの、旅の支度をしての、世界に邪悪な野望を撒き散らす旅に出たのじゃった。

 「…血ィ、吸うたろか…」

 
 


 ポポル・ヴー(ブー、ヴフ)は、主に1970年代に活動したドイツのプログレシッヴ・ロック・グループだ。ポポル・ヴー同様に映画音楽を手掛けるタンジェリン・ドリームカンクラウス・シュルツら他のドイツ勢とは異なり、ポポル・ヴーの奏でるサウンドは、ナチュラルで民族音楽のようでもあり、時には聞き手を選んでしまう、ヒューマン・サウンドと言えるだろう。

 ポポル・ヴーとはマヤ文明に残る聖典、即ち南米マヤのキチェ族の創生神話の名前でもあるが、同時にグループのリーダー、フローリアン・フリッケの事も指している。彼を中心に様々な人脈がこのグループには入り乱れているが、基本的にはフリッケの個人グループであり、彼さえ居ればポポル・ヴーなのである。

 

 ポポル・ヴーは1ダース以上のアルバムを70、80年代にリリースしているが、サウンドトラックは同じドイツのヴェルナー・ヘルツォーク監督作品しか担当していない。そもそもフリッケとヘルツォークは共に10代の後半にサッカー・チームで知り合った旧友同士であり、お互いに尊敬しあう仲なのである。そしてヘルツォークが監督した『生の証明』('67)にフリッケはピアニスト役で出演し、ショパンを弾いて見せた。『小人の饗宴』('70)で幻想的なシンセサイザーを聞かせ、『アギーレ・神の怒り』('72)で音楽をポポル・ヴーとして担当。ヘルツォークと共に絶賛を浴びる。『カスパー・ハウザーの謎』('74)でもヘルツォークはポポル・ヴーのアルバムの曲を使用。他には『ガラスの心』('76)、『フィツカラルド』('81)、『コブラ・ヴェルデ』('87)などの音楽を担当している。

 

 『ノスフェラトゥ』ではフリッケを中心に何作かポポル・ヴーに参加していたダニエル・フィッヘルシャー、ボブ・エリスク、アル・グロメールらでその幻想的で宗教的なサウンドを奏でている。そのサウンドはいわゆるハマー・フィルムの英国的なサウンドとは全く異なり、中世の香りがするナチュラルな音楽と言ってもよい。聞き手によっては永遠に虜になる、麻薬的な不思議なサウンドなのである。日本ではポポル・ヴーのアルバムは数えるくらいしかリリースされておらず、マニアックなプログレッシヴ・ロック・マニアだけの存在だったが、1893年に『フィッカラルド』が公開され、『ポポル・ヴー&ヘルツォーク作品集』なるアルバムがリリースされた時点で静かなファンが増えたのである。

 

 しかし2001年12月29日、フローリアン・フリッケは56歳にて突然死去。そしてポポル・ヴーは永遠の眠りについた。『アギーレ』『ノスフェラトゥ』の中で同じく永遠の眠りについたクラウス・キンスキーの元にフリッケは旅立った。

 フローリアン・フリッケの主義により、ポポル・ヴーのアルバムは本国ドイツ以外でリリースされる際、フリッケ自身の手により再編集が施されて(異なる曲などを収録)リリースされる。よってオリジナル・ドイツ盤とは異種のアルバムが誕生するのだ!
 

 『ノスフェラトゥ』ではまず、映画公開前に『BRUDER DES SCHATTENS - SOHNE DES LICHITS』としてポポル・ヴーのオリジナル・アルバムという形でドイツ・BRAINよりリリース。勿論、『ノスフェラトゥ』のサウンドトラックを含む全4曲入りのアルバムである。
 この時、日本ではテイチクより『幻日の彼方へ』と題されてリリースされた。映画公開時の1979年に入るとすぐに映画のアートワークに変更されたジャケットで『ノスフェラトゥ サウンドトラック・アルバム』として再リリースされている。

 

 しかしフランスではEGGレーベルでリリースの際にジャケットを全く替えて内容も異なる曲にて10曲入りでリリース。テーマの部分もショート・ヴァージョンになったり他の曲も異なり、違った味わいがこのアルバムにはあった。
 イタリア・PDUレーベル盤はドイツ盤に準じるが、1984年に日本・NEXUSレーベルでリリースの際は、フリッケはこの日本盤用にさらなる編集を施してBサイドを全く別の曲で構成。全8曲の世界で日本のみとなる『ノスフェラトゥ』のアルバムを完成させた。(この時、『アギーレ・神の怒り』も同様のヴァージョンにて日本ではリリースされている。)

 

 映画本編ではAサイドの十数分に及ぶ大曲がメイン・タイトルの他、各シーンにテーマ曲として印象的に使用。最初の宗教的なムードからアコースティックなピアノとエキゾチックなシタール、ギター、オーボエで奏でられる部分が、ルーシーのラブ・テーマとして安らぎを与えている。サウンドトラックのアルバムとして楽しむのもいいが、異色のアンヴィエント・ミュージックとして聴くのもおもしろいだろう。また、コレクターズ・アイテムとして貴重な各国盤をコレクトする楽しみもある。

 

 アナログ時代はポポル・ヴーのアルバムとして充分なセールスを記録。CDとして最初のヴァージョン及びフランス・ヴァージョンが、フランスのSPALAXよりリリースされ、その後、2000年代に入りドイツのSPVよりさらなる曲で再編集された『最終盤』がリリースされている。

 

 フリッケ自身の死後、ヘルツォークのサウンドトラックは同じドイツ出身のハンス・ジマークラウス・バデルトらが担当。そしてCDがリリースされている。彼らのファンはそれなりに評価しているが、やはり「ポポル・ヴーとヘルツォーク」の黄金コンビのサウンドトラックとは比較にはならない!否、比較してはならないのだ。そのことはヘルツォーク自身が一番分かっているのだ。友を失った悲しみの音楽としてもこの『ノスフェラトゥ』のサウンドトラック・アルバムはこれからも眠りにつくことはないだろう。

 イザベル・アジャーニ。ツンデレ。元祖・ツンデレ女子!日頃はツンツンして決して笑顔を見せない。男に対してはSO COOL。媚びない。なびかない。男を見下している。又、軽蔑もしている。しかし!二人きりになるとまるで子猫のように「ウフフ!」とデレデレ!二つの顔を持つ女子!

 男にとって無理目の女子、自分のレヴェルよりも明らかに上位の女子に惚れたり、玉砕覚悟でアタックするのは当然である。男にはハンターのDNAがその熱い血に流れているのだ!だから自分のフェイスが福笑いであったり、体型が大福であっても構わない。惚れたら突撃せよ!が男である。しかし悲しい事に「無理目の女」に惚れたらかならず「自惚れと勘違い」がセットで付いてくる。それだけツンデレ女子の方が巧く立ち回っている!男はツンデレ女に狂わされる?

 

 例えば職場でツンデレ女に―
 「き、今日もいい天気だね?」(…あら、そう?…)、
 「ねえ、髪型、変えた?」(…見れば分かるじゃない…)、
 「ねえ、音楽は何が好き?」(…何でもいいじゃない…)、
 「自分、麺類が好きだけどキミは?」(…くだらないわね…)、
 「どこに住んでるの?」(…ストーカーかオマエは…)
 とほんの会話のキッカケも見事にジャンクされるのだ!

 

 こういう時、ツンデレ女子は、たいていの相手の目をハッキリと見ない。
 笑顔を浮かべない。
 目を少し(恥ずかしげに)そらしたりするので、「気があるのかな?」と男は勘違いするのである!
 嗚呼、馬鹿男!
 意を決して
 「ね、ねえ、ランチでも一緒にどう?」(…変なウワサになったらどーすんの…)
 「か、帰りにコーヒーでもどう?」(…オメーはよう、めでたいのう…)
 で撃沈しても悲しむでない。
 相手が悪すぎたと思えばいい。

 
 

 が、しかーし!
 ラブ・ゴッドが微笑み返しのお歳暮ギフト・セットを餞別付きでくれた際にはどうなるか…?

 外で一緒に歩いている時は、
 「…ちょっと!手なんか握らないでよ…」
 「…電車で頭を方に乗っけないでよ…他人が見てるじゃない…」
 「…付き合ってるのは秘密よ…」
 「…毎晩、電話してくんな…バカ…」
 とSO COOLだが、ひとたび部屋で二人きりになれば!
 「イヤっ!XXちゃんと呼んでよ!ウフッ♪」と笑顔満載で
 「ねえねえ!XXちゃんの料理、食べる?」
 「えー、食べてくんないと!」
 「…ちょっと、この人参、固いんですけど…」
 「でしょー、美味しいでしょー!」
 「…ケチャップ、入れすぎでない?…こんなに大量に作ってどーすんの…毎日、コレかよ…」
 「もー、ぜーんぶ、食べてね!」
 「えー、寝るときはXXちゃんはコッチ側ね!」

 そして必ずのように深夜構わずや風呂に入ってる時に電話が鳴り、永遠の長話が。
 日頃のあのCOOLぶりとは別人のツンデレ女子。

 

 イザベルはそんなツンデレ女子。
 決して笑わない(…何故なら笑いシワが出来るから…)。
 空想好き。
 完璧主義。
 衝動的。
 天真爛漫。
 無鉄砲。
 シャイ。
 勝気(…だってツンデレ女子だから…)。
 趣味は装飾品やファッション、読書。
 そして長電話(…ツンデレだもん…)。
 結婚はしない。
 したくない。
 自分大好き(…ツンデレで何が悪い…)。
 恋愛秘密主義。
 でも隠し子が居たりする。(…ツンデレは秘密が多い…)

 

 ダニエル・デイ・ルイスの隠し子を生んだ時、イザベルはダニエルにFAXを送信した。

 …子供生まれた…認知してくれよな…
 毎月、養育費、よろしくな…
 あ、結婚はせんよ…
 じゃあの…アデュー…

 イザベルより。

 …イザベル、究極のツンデレ女子…に僕たちは狂わされる……