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Goodfellas House Choose One!

ちょっとしたサウンドトラックとその作品についてのコラムです...

Klute: コールガール
トランス 愛の晩餐
主演 カトリーヌ・ヴィルクニング
ステファン・フェラーラ
監督 ジョゼ・ピネイロ
音楽 ロマーノ・ムザマラ
ウォーゾーン 虐殺報道
主演 ヴァレリー・カプリスキー
ベルナール・ジロドー
監督 クリストファー・フランク
音楽 アラン・ウィズニア

 真冬のフランスの何処かで、今夜も − いんぐりもんぐり −
 カトリーヌっちゅういかにも幸が薄そうな娘は、地方を巡業する舞台女優やったんや。
 将来、映画女優になることを夢見て、ぺチャパイの胸を毎夜、揉みしだいていたんや。
 ある股間も凍りつく寒い夜、とある有名演出家から次の舞台の主役に指名されたカトリーヌは、夢のパリの舞台に立てる!っちゅうことでの桃色のパンツを脱ぎ捨てて、仲間の待っている深夜のバーへ向かったんや。
 彼女は、浮かれすぎて股間も凱旋門状態なのか、そこに居たパトリックっちゅうチンピラの誘惑にノリノリの浅草海苔状態で、そのカラダを許したんや。
 パトリックのホンマ、エッフェル塔みたいな週刊・男性自身の虜になるカトリーヌ。
 ホンマ、メス猫のような雄叫びを夜空にこだまさせよったで。

 

 それからが哀しきメス猫は、一夜限りのつもりやったが、何かとまとわり付くパトリックを敬遠しながらもその逞しいエッフェッル塔を忘れられないんや。
 しかも彼はとんでもないDV男でもあったんや。
 まるで北斗の拳のように彼女の華奢な肉体、リリーの桃を傷つけたんや。
 そんな彼を拒否するんやけどしまいには、自らその水道を出しっぱなし!にしてしまうんやった。
 こりゃアカンがな。

 
 

 これでは有名女優の道が絶たれるっちゅうことで彼に別れの手紙を置いてパリに行った彼女やったが、突然パトリックが現れて、パリのオシャレなカフェの前でその自慢のそびえ立つエッフェル塔を御開帳した瞬間、カトリーヌの抑えていた理性は崩れたんや。
 二人は、あらゆる場所で狂うような土佐犬のような拳闘をギャラリーに見せ付けたんや。
 毎夜、マッド・マックス対ランボー 怒りのアフガンのような戦いをしていては、舞台も巧くいきまへん。
 彼女の異変に感づいた演出家は、怒りまくったんや。
 けど優しい共演者に助けられて何とか舞台は、性交、いや成功したんや。

 

 やっとパトリックと手を切る決心をしたカトリーヌを彼は誘拐して暴走する車で自殺しようとしたんや。
 「オレと心中してくれ!」と叫びながら、車は横転してパトリックは死んだ。
 でもカトリーヌは、ダイ・ハードのマクレーンみたいに不死身やった。
 その瀕死の体で舞台に上がり、こんなセリフを吐いたんや。
 「今のワタクシは、理想からは程遠い女でございます。」
 …ホンマに女は怖いんやで…

 

 真夏のミナミ・フランスのリゾート地、コート・ダジュールざんす。
 クリスティーヌは18歳のJK!
 モデル顔負けの豊満な肉体の持ち主で御座います。
 毎年、美人のママンのオカンと一緒にここで夏休みを過すんです。
 クリスティーヌは、勉学もよりも夜の学習が、得意でありまして学校の友人達には見せられない姿を持っていました。
 どこか小悪魔のような一面をそのゆらゆら揺れるオチチに隠しておりまして、幸せそうな夫婦の前でパンチラ、胸チラで若夫婦の旦那の理性をブッチ切り、耳元で「あハン、ウフン」とアニメ声で囁き、旦那は狂ってしまい、その嫁さんも怒り心頭!

 こんな恋のとんでもないゲームもクリスティーヌにとってはただのお遊びでありました。
 彼女のママン・オカンも歳の割りには、まだまだ「若い小娘には負けないわョ!」と町内では有名な張りのあるオチチとくびれたウェストに、桃尻でオジンを誘惑しまくり!
 こんな親子でありましたが、クリスティーヌは、実は心に大きな傷を抱えておりました。
 それは16歳の時、妻帯者のオッサンの子を宿し、そのオッサンそれを知るとトンズラをしてしまったのですよ、奥さん!
 彼女は泣く泣く中絶。
 それからは男を憎むようになったのですって。
 …この傷が男を破滅させる彼女流の復讐、うらみ節なのでせうか…

 
 ある日クリスティーヌはリゾートで有名なジゴロのロマンというイケメンと知り合いました。
 彼は女を金持ち男・オッサンに斡旋してはガッポリと稼ぐ、動く個人風俗店を経営している男の鑑のようなジゴロでありました。
 そんな彼を軽蔑するクリスティーヌは、どこかこの男に惹かれ始めたのですョ。
 でもロマンはいつも彼女を子供扱いし、彼女のママン・オカンを誘惑し始めました。
 真夏のラリパッパなリゾート地は、なんだかどえりゃーエロエロ・ムードが漂い、クリスティーヌは自慢のボディをロマンの前で「どやさ!」とおっぴろげ!
 でもロマンは遂にママン・オカンとある夜、ノルマンディー上陸作戦に性交、いや成功してしまいました。
 それを偶然、目撃したクリスティーヌ、その時自分はロマンを愛していた事を知りました。
 

 クリスティーヌは冷静に増悪の炎を燃やしてなんと毒クラゲをボリショイ・サーカスのトラのように操り、ロマンを海の中に誘い出して毒クラゲに「いいかい、お前達!その男を刺しておしまい!ぶっ殺すのよ!」と叫び、ロマンをコートダジュールの海から三途の川に流してしまいましたのです。

 …ホンマにフランスのJK娘はおとろしいですねえ…

 

 

 

 

↑作品集(2枚組LP)

 ロマーノ・ムザマラ。ムスマラ、ムッザマラ、ミュジュラマ、蒸す魔羅。
 正確な発音はワカんねえ!
 『わが美しき愛と哀しみ』の音楽を担当したこのムザマラは、フレンチ・アイドルのエルザが歌った主題歌が大ヒットした『悲しみのヴァイオリン』('87)で彗星のように現れました。
 そして『恋の病』『風の中のリセエンヌ』('87)、『フェイスレス』('88)等を連発。
 1988年には早くも2枚組LPの作品集をリリースする売れっ子でした。
 しかし『クリストファー。・ウォーケン 流血の絆』('93)辺りから急に失速してします。
 はぁ…

 

 でも『わが美しき愛と悲しみ』では彼の魅力が大いに発揮された傑作であります。
 メロウなダンス・ミュージックの二つの主題歌がとても印象的。
 黒いとっちゃん坊やジャック・エドワーズが唄う「CATERINE」、「ON THE BORDELINES OF LOVE」です。
 前者はヒロインのやるせないテーマ・ソング、後者は必ずエロエロ・シーンになると流れ始める、夜の闇にこだまするビートが印象的なエロ・ソング。
 刻むビートがまるで「ええかあ?ええのんかあ?」に聴こえて来て股間が、騒ぎ始めます。

↑ロマーノ・ムスマラ近影

 
 、いや、また繊細なオーケストラのスコアも聴かせるのも忘れていません。
 朝焼けの海に流れるカッティング・クルー!の「I JUST IN YOUR ARMS TONIGHT」リタ・ミツコOMDらのダンス・ミュージックもとても効果的に流れます。
 サウンド・トラック・アルバムはフランスのARIOLA/GM(ジョルジュ・マリー。エンニオ・モリコーネのジェネラル・ミュージックではないよ)からリリース。
 主題歌の2曲はカップリングでシングル盤もリリース。
 なんとリミックス・ロング・ヴァージョンで12インチ・シングルもリリースされています。
 この12インチをBGMで当時のパリ娘は夜にアヘアへに…と考えるだけでもう悶絶してしまいますよ。
 

↑仏盤LPアルバム

↑ジャック・エドワーズ

↑仏版12Inchシングル

 

 『サロメの季節』の音楽はアラン・ウィズニア
 でもウィスニアック、ワイズニアとも発音されており…だから分かんないって!
 彼は『ジョイ』('83)、ヴァレリー・カプリスキー主演の『私生活のない女』('84)も担当しております。
 …やっぱエロ映画ばっかり…
 『サロメの季節』ではトロピカルで解放的なサマー・サウンドが気持ちいいですね。
 アレンジはフランソワーズ・アルディなんかのアレンジも担当しているミッシェル・ベルナルクのせいか、どのスコアも「歌える」曲であります。

 

 実際、「WAITING FOR YOU」オリビエ・コンスタンタンが唄い「MRS.HYDE」は杏里みたいなCAROL ROWLEYがトロピカルなダンス・ソングを聴かせております。
 が、この作品の狂っているのはなんとドイツ・パンク娘のニナ・ハーゲンの歌を4曲もフィーチュアして開放的なリゾート地を狂気に陥れます。
 特に名曲「AFRICAN REGGAE」が最高!

↑ニナ・ハーゲン

 

 サウンドトラック・アルバムはフランス・CBSよりリリース。
 ちゃんとニナ・ハーゲンも収録されているのが、技あり!でした。
 この2枚のサウンドトラック・アルバム、やっぱり1980年代はよかった、と再認識させれます 。
 そして80年代独特のビート感溢れるダンス・ミュージックの時代だったと…
 時は流れて今現在、この2作品はCDとしては存在しておりません。
 リリースされる話も聞きません。
 それは「初めて付き合った女の子」は、今現在どうしているのか?を考えてしまう秋の夜…のようにCDなんて考えてダメなんでしょうね。

 「やっぱさあ、監督はゴダール、トリュフォーだよねえ。」
 「ウンそうね。アタシはフェリーニも好き。ジャック・タチもね!」
 「あ、キミたちも!ボクもそうなんだよねえ。フェリーニのさ『甘い生活』なんて生涯最高の作品だと思うんだ。」
 「ねえねえもっとワイン飲む?」

 …あー、そうですか。
 映画はオシャレですか。
 ワインも飲まはるんですか。
 男子も女子も何故かモテモテなんでしょうね。
 みんな夏休みにはパリに行きはるんですか…
 こんなアートな美意識を持つ方々は我々をエッフェル塔の上から、まるで稲中卓球部ごとくに冷たい視線を浴びせはります…
 何故なら我々は、場末劇場でエロ映画の2本立てを鑑賞するからなのです…
 アルバトロス・フィルムで興奮するからなのです…

 
 『わが美しき愛と哀しみ』と『サロメの季節』は、1988年にOSAKA・国名小劇というミニ・シアターで公開。
 初めて中に入ると名の通りあまりの狭さに衝撃を受けたシアターでありました(現在、完全ポルノ劇場として健在。頼もしい)。
 当時はジョイ・パック・ワールド・パッション・シリーズ『薔薇の貴婦人』('86)、『鏡の向こう側』('86)等、エロ映画を連続上映されており、我々御用達のシアターでありました。
 勿論、ゴダールうんぬんのオシャレな方々は観に行きません。
 我々がフランスのファッショナブル・ポルノを観ずに死ねるか!と叫んでもです。
 なんなんでしょうね。
 シアターに行く異様な興奮感とパンフレットが販売されている!と感動すら覚えるこのハートビート。
 周りはスポォツ新聞、週刊大衆を愛読するオッサンばっかりなのに。
 何か連帯感もあったりして。
  …スケベ・シーンを食い入る様に観ている顔は、オカンにも見せられない…
 シアターを後にすると決まってきつね・うどん、ラーメン、ホルモンが食べたくなるのも何故なんでしょうか。
 不思議です。
 肩で風を斬って夜空の街を歩いて帰るときの風の冷たさと、道行くカップルの笑顔を見たときの、何とも表現し難いあのモヤっとした気持ちもなんなんでしょうね。