ちょっとしたサウンドトラックとその作品についてのコラムです...
おぢさんは覚えているゾ。 忘れないゾ。 そう、あれは1984年のサンフランシスコのアパートにおぢさんは一人で逃亡犯のように、ひっそりと暮らしていた。 隣の部屋はマイルズっていう平凡なボンクラ・サラリーマンが住んでいた。 彼はおぢさんが知る限り全く無趣味であり毎日、会社に遅刻しているようなボンクラ君だったね。 ところがある日、彼は一念勃起、いや奮起して馬鹿でかいパソコンっちゅうコンピューターなる物体を買いおった。 おぢさんは近所のエロ本屋には詳しいが、ハイテクな電化製品は全く知らないのだが、このパソコン、スケジュール管理から戸締り、チェスの相手から冷暖房管理まで出来てしまう、まるで家政婦みたいな優れモノ。 オマケに心も意思もあり、喋る!喋る! おぢさんは驚いたね! 「これは「プッシー・トーク」!喋るオ○○コやんけ!キューブリックの秘蔵っコのハル君や!」
マイルズ君、パソコンをエドガーと呼び毎日、仲良く会話して遊んでてある日、マイルズ君の上の偕にメッチャクチャカワイイマデレーンという女の子が越してきた。 まーおぢさんは驚いたね。 この世にこんな美人でカワイイ女の子が居たなんて。 おぢさんが愛読している金髪娘のエロ本の中にもこんなカワイイコは居なかったもんね。 スラリとしたボディにふわふわの長いブロンド髪。 そして大きなブルーのお目目。 そして彼女はチェロ奏者! すっかりおぢさんは、恋に堕ちたねえ。 心底彼女の部屋を覗き見したい! 彼女の裸体を演奏したい!と思ったねえ。 たまんねえや。 毎日が愉しいぜ。
おぢさんもマイルズ君に負けじとマデレーンに声をかけて愛の告白をしようにも緊張して声が出ない。 あ゛ーあんな可愛いコを目の前にしたら緊張してしまって「あ、あ、あの生ゴミ出しは何曜日でしたっけ?」なんてどーでもいいことをカマしてしまう! 明日こそは! でもでももうマデレーンとマイルズ君、何度もデートを重ねアパートの前で熱いKISSも披露。 あ゛ー部屋の中からアハンウフンと愛のミュージックも奏で出したやんかいさ。 アカン生きる気力が無いわ。 エドガー君、パソコンでもええわ、友達になろうや…とマイルズ君の留守に部屋に入るとエドガー君、「LOVE IS LOVE」っちゅうマデレーンに捧げるラブ・ソングを歌うやないの。 「アカンよ。そんなことしてももうあの二人は.....」 でもこの歌、彼女はマイルズ君が作ったと勘違い。 さらに二人の絆は強くなった。
おっちゃんは今でもあん時を忘れへんでえ。 それはのうおっちゃんが、アメリカのド田舎の山ん奥で山篭り生活、5周年目を迎えた1986年やった。 その山はのう、キレイな湖があってな、時々近くの全寮制お嬢様・女子高校生がスッポンポンで水浴びをするさかい、おっちゃんは木陰から自慢のベータ・8ミリヴィデオ(It's A S○ny)で盗撮するのが、ムッチャ愉しみやってん。
その内、そのコの名前はリサっていうのを知ったンや。 ええなあリサって名前は。 でもなある日、ワシの愉しみを奪うボケが出てきてん。
そのボケはな、やはり森ン中にある少年鑑別所のなジョーっちゅうガキや。 こやつもな鑑別所恒例の森の清掃の時にリサの湖の自我撮りを発見しよってん。 それからワシよりもええ場所でかぶりつきで観てやがんねん。 そやからある日、リサがヤツの視線に気が付きよってん。 …その時な、何か二人には恋の炎が点火されたみたいやねん… 恋のプロ・ファイターのこのおっちゃんが、感じるもんやさかい、間違いない… ジョーっちゅうガキ、男前なんがムカつくやんかいさ…
おっちゃんが危険を承知の助の死ぬ覚悟でリサの全寮制高校に忍び込んでリサのパンツでも盗もうと校内に侵入すると何と!鑑別所と合同で体育館でダンス・パーティーをやっとるやないか! アカン、リサの身が危ない!とおっちゃんは乱入したかってんけど勇気があらへん。 その時やリサとジョーが、うっとりと見詰めあい、踊り始めたんや。 BFMがブライアン・フェリーの「スレイヴ・トゥ・ラブ」や。 外道の景山民夫の「恋の奴隷」やがな。 案の定、リサとジョーは恋のファイヤーで燃え上がってもうた。 それからや二人はこっそり抜け出しては、山小屋で落ち合うようになったんや。
1980年代は『ザナドゥ』や『フェーム』、『アーバン・カウボーイ』などのサウンドトラック・アルバムが大ヒットしアルバムから何枚ものシングル・カットをも生み出してヒット・チャートを埋め尽くしておりました。 アルバムにはロック、ポップ・アーティストの新曲がたっぷりと納められており映画の枠を跳び越して、様々なファン層にアピール。 1983年から84年には『フラッシュダンス』、『フットルース』の2大メガヒット・アルバムが登場してマーケットを独占。 MTVブームでもありまさにサウンドトラック・アルバムは売れまくっていたのでした。
そんなホットな1984年に『エレクトリック・ドリーム』のアルバムがリリース。 映画自体はイギリスのレコード・レーベルでもあるVIRGINが、製作しており勿論、アルバムもVIRGINよりリリース。 スコアは『フラッシュダンス』を大ヒットさせたジョルジオ・モロダーがここでも登板。 アルバムには3曲収録されておりますが、特に「マデリーンのテーマ」の甘く切ないメロディは、さすがの腕前。 追い越せ!『フラッシュダンス』の様にモロダー以外の豪華アーティストが新曲で参加しており数枚のシングルが7インチ、12インチでカットされております。
メイン・タイトルとエンド・タイトルに流れるタイトル・テーマのP.P.アーノルドのブラック・フィーリング溢れるソウル・フルなナンバーにまず身を乗り出しますが、ELOのジェフ・リンのナンバーも心地いいですね。 でも「LOVE IS LOVE」のカルチャー・クラブがベスト・ソングかも。 確かにヴォーカルのボーイ・ジョージは当時から女装趣味のド変態ですが、ホワイト・ソウルのシンガーとしては最高でしょう。 このモータウン・タッチのスモーキー・ロビンソンみたいなソウル・バラードはエンドレスで聴いてしまいます。 「TOGETHER IN ERECTRIC DREAMS」は大ヒットしましたが、意外にもヒューマン・リーグのフィリップ・オーキーとモロダーのコンビのナンバーでした。 ワールド・ワイドにリリースされたアルバムはイギリス、日本では初回プレス盤では豪華なヴィニール製の別カヴァーに覆われていたのも当時話題になりました。 イギリスではCD化も速かったですね。 でも確かにヒット・アルバムではありますが、完全に映画自体が置き去りにされております。 付け加えるとモロダーは1984年に来日した際、最近の担当した映画音楽について聞かれると 「私は『スカーフェイス』に入れ込んでいるんだ。ブライアン・デ・パルマとの仕事は刺激的だった。その点『エレクトリック・ドリーム』は満足していない。」 おいおい髭のモロダー、なんてことを言うの!?
ヴァージニア・スリムと呼ばれた1980年代の孤高のアイドル・アクトレスはヴァージニア・マドセンなんですよ! 真夜中の大空に叫ぶ今宵、あの日の若き日のハートはタイム・スリップ。 80年代は女子も男子も海外のアイドルにそれはもう夢中になったものでした。 女子はマット・ディロン、ラルフ・マッチォ、クリストファー・トーマス・ハウエル、トム・クルーズらのブラット・パックと呼ばれた連中やマイケル・J・フォックスらの乙女心を奪われ、男子はダイアン・レイン、ソフィー・マルソー、フィービー・ケイツらに自らの若きエネルギーを夜空にスプラッシュ!しておりました。 そんな1984〜86年にヴァージニア・マドセンの『エレクトリック・ドリーム』と『禁じられた恋』がめでたく日本公開されたのにも関わらず、ヴァージニアに惚れた男子はほとんど居りませんでした。 何故ならヴァージニアは美人過ぎたからなのです!
80年代の男子が好きなアイドルはクラスで3番目くらいのカワイイコ。 つまり告白しても「何とかなるんじゃない?」の親しみやすいコ 。 その点、ヴァージニアはクラスでトップどころか校内・ナンバー・ワン!クラスの孤高の美人。 優雅な肢体と美しいブロンド。 こんな女のコに声をかけるなんてムリムリ、ましてや付き合えるなんて100万年早いわ! そうヴァージニアは「エースをねらえ!」で例えると竜崎麗華、お蝶夫人なのであります。
そんな美貌の為かアメリカでもさほど人気は上がらず、出演作も『スラム・ダンス』('87)、『灼熱の女』('89)、『ラブ・キルズ』('91)、『ホット・スポット』('91)、『魔性』('92)、『リンダ』('93)等どれもが悪女役であり、多額の保険金をかけては亭主をブチ殺す鬼嫁役を得意としておりました。 それに加えて実の兄が、あの歌舞伎町の耳削ぎ男のマイケル・マドセン!と分かると世間の男はもうドン引きでした。 それはもうヴァージニアに言い寄る男達をブチのめしていたのは、兄貴のマイケルでもありました。 「オレの妹に何しやがる!ケッコンしたけりゃオレの面倒も見やがれや!」と凄まれたらそりゃあ逃げますよ。 いくら妹が美人でも絶対に「彼女の兄貴だったら、最悪な二人」はマイケル・マドセンとレイ・リオッタなのですから。