Yeah! 最高の映画音楽の年、YEAR OF THE FILM MUSIC幕開けだ。
そんな3月から8月にかけての作品時代の大ヒットと音楽面でも数々のカヴァー・ヴァージョンを生み、もう日本中の爺ちゃん、婆ちゃんからオトンにオカン、近所のスケバン女子高校生、ワンパク小僧も聴き惚れ、酔いしれたのがスティーヴ・マックィーン主演、ジェリー・ゴールドスミス作曲の『パピヨン』だ。
ヴォーカル・ヴァージョンではエンゲルト・フンパーティング、味の素なムーン・リヴァー・おじさんのアンディ・ウィリアムスらがズバ抜けてヒット。
特にアンディはあのソフトな歌声で日本語ヴァージョンも披露。 「イチワノチョウチョガ アシタへハバタク!」だもんね!
ヴォーカルは「FREE AS THE WIND」として様々なシンガーによってカヴァーされた。
日本のイケメン俳優の鹿内孝も田舎から出て来た純情なOLねえちゃんをたぶらかす甘い歌声で日本語でカヴァーしたけどさすがにアンディ、エンゲルトを聴いた後ではねえ。
この1974年はどのファミリーでもステレオ・セットを購入しており、ファミリーでレコード・音楽を愉しむ!がステイタスでもあった。
おとうちゃんが夏のボーナスでステレオ・セット、坊ちゃん、嬢ちゃんの入学祝いに婆ちゃん、爺ちゃんから豪華なステレオ・セットをプレゼントという具合に。
そんな時、迷わず買って聴く映画音楽が『パピヨンのテーマ』であったのは間違いない。
それだけ親しまれた、刻まれたのが『パピヨンのテーマ』だった。
時は流れて1988年。74年には存在しなかったCDなる小さなシルヴァーに輝くディスク。
この年イギリスのSILVA SCREENが世界初のCDをリリース。
さらに2002年にフランスのUNIVERSALが14曲+1曲の未収録曲を増やしてCDをリリース。
『パピヨン』のCDはこれで終わりかと思いきやこの後、ルイ・ドガの悪魔島からココナッツの実が届いた。
中身を開けると何と!16曲に増補されたCDではないか。
そう、あの脱走のバックに流れていた囚人が奏でる曲や「Gift From The Sea」のフィルム・ヴァージョン等、フランス盤より曲が多くといい内容だった。