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ちょっとしたサウンドトラックとその作品についてのコラムです... |
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ミリアム･ルーセル |
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| 監督 |
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ロベルト･ファン･アケレン |
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| 音楽 |
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ペール･ラーベン |
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| 主演 |
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ダイアン･レイン |
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| 監督 |
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チャールズ･フィンチ |
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| 音楽 |
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ダニー･Ｂ･ベスケ
レオニーダ･ファブリツィオ |
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| 歌･演奏 |
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ダニエル･モーリス･プロジェクト |
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とある日の真昼の住宅街。男達は働いている時間帯。女子供はガッコにオフィス。
しかしそのどこにも属さずに家でまったりと時間をスルーさせる、「オンナの特殊部隊」と呼ばれるある世代のウーマン達が生息している。
彼女達は真昼の午後３時頃にはやたらに活気があふれるのだ。
それはただ無意味な会話だけではあるが。
……イヤっ！奥さん！久しぶりやん！
どないしてたん！さあ、家にあがって！散らかってるけどゴメンやで！
さあ、座ってーな。
イヤッ！奥さんの服、何それ？豹柄やん！派手やねえ！
でも ウチのは龍、やけどな！ドラゴンの柄やで！
これで商店街を歩くとな、目立ってしゃーないねん！どわはは！
どーでもええけどおにぎりせんべいでも食べる？
ちょっと湿気てるけどゴメンやで。
イヤッ！奥さんのお腹、どないしたん！えらいポッコリ、してるやん！
オメデタ？いつ生まれんの？ちょっと触らせてーな！
どれどれ、男のコかなー、女の子かなー？
って奥さん！これ脂肪やんかいさ！
もー冗談は顔だけにしてーな！もう！イヤやわ！
あ、そうそう、奥さんとこのダンナさん、元気ぃ？
ウチなんかもう帰ってこんでもええのに、夜にはちゃーんと帰ってくるんやで！
でな、帰ってきていっつもビールと鶏の唐揚げを食いよんねん！
ウチのダンナを唐揚げにしたろか！と思ってんねん！
どーでもええけどウチ、ほら、紅茶のテーバック、何度も洗って使ってるやん。
それをダンナにも飲ましたらえらい怒りよんねん！
ウチ、腹立ったからTバックのパンツ履いて見せたらダンナ、口から泡吹いて気絶してんで！
あ、奥さん！どーでもええけど紅茶でも飲む？
出がらしやけど！どわはは！
あ、そうそう、奥さん！
どーでもええけど、ウチ、テレビのUチャンネルの映画にはまってんねん！
ほら、いっつもお昼の３時からやってるやろ？いっつも観てんねん！
先週、えーのん観てんで！どんな話か聞かしたろか？
あ、その前にけつね（きつね）うどんでも食べはる？ |
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| まぁ、奥さん、聞いてえな！こんな話やねん。 |
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ドイツにな、マックスちゅう男がおってん。
コイツ頭の毛は薄いくせに医者やねん。
ものごっついムチムチのココっちゅう、婚約者もおるんやで。
でな、頭が薄いくせに女たらしやねん。めっちゃムカツクやろ？ |
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でな、ココはな、メッチャ金持ちでな、デカチチと銭でな、早くウチと結婚してえな！と迫るんやけど、マックスは嫌がりよんねん。
頭、薄いくせにな！何、贅沢、言うとんねん！
ウチが男やったら喜んで結婚するで！お金持ちやろ！
それにあのでっかいオチチやで！乳牛みたいなオチチやで！奥さん！どーでもええけど！
あ、奥さん.、ポテトチップでも食べはる？
息子の食べ残しやけど。 |
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それでなマックスはな、遊びに行ったビリヤードでな、マリーっちゅう女に一目惚れすんねん。
この女、めっちゃ背高くて痩せてんねん。
脚も長くてな、ウチ、憧れたわ！
でも顔はキレイけどマネキンみたいに無表情やねん！
笑うやろ？死体みたいやねん。 |
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でなマックスはな、この女と仲良しこよしになってしまうねんで！頭、薄いくせに！
それにこの女、おっさんのダンナがおるんやで！
バリバリ、不倫やんかいさ！許されへんやろ！？腹立つわー！ホンマに！
でなこの二人、毎晩、ヤリはんねん！
立ったまんまやら後ろから横から下からスンゴイことやりはんねん！
思わずウチも不倫、やったろかいな！と思ったで！
でも相手がおれへんねん！どわはは！
でな、このマネキン女、ヤッテはる時にな、アハン、うふん言いながら「愛してへん！」と叫びよんねん！
ウソ、言いないな！アッハンって言うてるんやん！ホンマ、この女は！
と奥さんも思うやろ？
でな、二人の関係がな、婚約者となおっさんのダンナにバレるねんけどな、二人の関係は終われへんねん。 |
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でな、ウチがトイレに行ってる間にな、婚約者とおっさんのダンナもな、ええ仲になってんねん！
この映画、なんなん？と思ってる間にもう終わってもうてん！
もーウチ、腹立ってしゃーないからな、ラーメンとおにぎりを食べてん！
でもな、ウチも浮気、したいわー。一日だけやけど。 |
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あ、奥さん、知ってはる？
村上ショージはん、なんかBBC放送から出演してくれへんやろか？と依頼があったらしいけど、それな、英国のBBCやなくて「びわこ放送の釣り番組」の依頼やったらしいで！
あ、奥さん！お茶でも飲む？
新品やで！ |
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| あ、奥さん、あそこの酒屋、今日、「鬼ころし」のパック、安売りしてるで！
あ、それでな、昨日、観たんがなメッチャ、笑う映画やってん！
まぁ、聞いてぇな。 |
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何かよう知らんけどむっさいモンローっちゅう、ロック歌手がおってな。
弟さんを事故で亡くしはってん。
そうしたらな、歌えんようなってな、海岸で自堕落な生活をするよになりはんねん。よー判らんけど。
あ、ちょっとゴメンやっしゃ！電話や。
フン、フン、ハイ、ハイ、そーかいな。
アイ、アイ、ほんだら。
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奥さん！聞いてぇな、今のんダンナやってんけどな、今夜遅くなんねんて！
息子はな、今夜、なんか友達んとこに泊まるってゆうてんねん！
奥さん、今夜、ウチんとこで晩ゴハン、食べていきーな！ |
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でな、ある日、このモンローっちゅう男がな、どーでもええけどこの男、メッチャムサイんねん！
髪はボサボサやし髭は濃いしな。腹立つねんこんなヤツ！
でな、この男、海でな、壷を拾いよるねん。
でその壷をな、部屋に置いてたらな、夜中にピッカリと光ってやな、中からスッポンポンの女が出てきよってん！
ウチ、たまげたわ！口からうどんを吹き出したわ！
でな、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン！て言うてやな
「あたしはチャイナって言う妖精です。アナタの望みを３つだけ叶えます。」
って歌い始めたんやで！
これ「ハクション大魔王」やん！アクビちゃんやん！
オロロ！やん！無茶苦茶でごじゃる！やんかいさ！ |
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でなモンローはな、驚きながらもこの妖精とやな、また仲良しこよしになってやな、毎晩、ヤリはんねん！
ガンガン、ペッコリ、ニコニコ、ギュイーン、ドクドクのダクダクにヤリはんねん！
ウチも早くダンナ帰ってこんかな！と思ったで！
でな２つ、望みを叶えてもらうんやけどな、これがしょーもない願いやねん！
雨を降らせてもうてんねんで！驚くわ！
ウチやったら とにかく銭をしこたまおくれ！と叫ぶで！ |
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| あ、奥さん！ドーナツでも食べはる？ |
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でな、とうとう３ッつ目の願いが来てん。
このムサ男、何を言うかと思ったら「真実の愛が欲しい。」って言いよってん！
アホか！真実の愛なんか何処にあるんじゃ！ボケが！と叫んだったわ！
でなこのムサ男、妖精はんの壷をやな、海に戻しはってん。
そんなんする暇があったら散髪せーよ！と思ってたらやな、なんかピンポン鳴って玄関へ行ったらやな、なんか知らん勧誘やってん！ |
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でな知らん間になムサ男、海に溺れてやな、ある女に助けられんねん。
その女こそ、人間になった妖精はん、壷女やってん！
それでな、二人はいつまでも仲良く暮らしましたとさ！
なんやねん！この話は！
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もう笑うやろ？
あ、奥さん！もう６時半やで！家で夕飯の支度せんでええの？はよう帰りーな！
もう、奥さん！今夜、何、食べはんのん？え？全部、レンジでチン！かいな！
もう、毎晩、ウチもチン！やねん！何処も一緒やんかいさ！どわはは！！！
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あ、そうそう奥さん、音楽は何、聞きはるの？
え？そんなん聞くの？若いねー！ |
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どーでもええけど「嫉妬」の音楽はドイツのペール・ラーベンっちゅう人やねん。
このラーベンは、同じドイツのライナー・ヴェルナー・ファスビンダーとよく組んでてんで。
奥さん、知ってはる？
「マリア・ブラウンの結婚」('80)、「リリー・マルレーン」('81)、「ベロニカ・フォスのあこがれ」('82)などが有名やねん。
他には「愚か者の日」('81)、そしてこの「嫉妬」の監督作品の「別れの朝」('83)もあるねんで。
「嫉妬」では、やるせないブルージーなサックスをフィーチュアして夜の浮気に相応しいスコアを聞かせるねん。
イヤっ！奥さん、こんなん聞くと大事な部分が、熱くなるやないの。
でなスタン・ゲッツ、チック・コリア、ロン・カーターが演奏するボサ・ノヴァなジャズ、サンバやらカーラ・ブレイ・セクステットの必殺のピアノ・バラードの名曲の「LAWNS」も聞けるんよ！
勿論、リリースされたサウンドトラック・アルバムにも収録されてるねん。
何かお洒落な不倫のBGMみたいやわ。
ドイツ映画の音楽っちゅうとダークなイメージが、あるんやけどこれは違うねん。
ウチの家には合いまへん！のが辛いけど。
ドイツのPOLYPHONNからリリースされててん。 |
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「愛にふるえて」は全く無名のダニー・B・ベスケ、レオニーダ・ファブリッツィオの二人が作曲、歌と演奏が、ダニエル・モーリス・プロジェクトやて！
何処の誰やねん！コイツら！
モーリス・ホワイトとかアラン・パーソンズ・プロジェクトとかジャッキー・チェンの「プロジェクトＡ」やったらウチでも知ってるで！
あと、何、この音楽？ズボズボの80年代のリック・アストレー、デヴィッド・フォスター、スタイル・カウンシルみたいな「バブル」な音楽やん！
全部、パチモンの音楽やん！こんなん、80年代・MTVやん！
でも聞いてるとあの時代が蘇ってなんかええーねー、奥さん！
高校の時のFMから録音したカセットとかウォークマンとかプールバーとか思い出すやんかいさ！
奥さん！あのカフェで毎晩食べた、バターでこってりのピラフがもういっぺん食べたい！
あのイチゴのパフェも！ガッコ帰りのうどんも！
キスのドヘタなあの先輩の唇の味も思い出したやんかいさ！
いやー、ええなあ、80年代！
奥さん！アルバムはイタリアのPHILIPSからリリースされててん。
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あ、奥さん！ウチもそろそろ痩せようと思ってんねんけど。
そうやねん、「嫉妬」の女優さんみたいになりたいねん！
ミリアム・ルーセルになりたいねん！
とにかく細いねん。手足が長いねん。腰にお肉がないねん。でもオチチもないねん。
映画の中でバレエを踊りはんねんけどメッチャ綺麗ねん。お人形みたいやで。
でも顔は無表情やねん。ちょっとボブ・カットな髪型に濃い眉毛もいいねん。
ウチ、憧れるわ！
でな劇中、黒いドレスをゆっくりと捲り上げてな、黒いパンツを脱ぎはるシーンがあんねんけど、ウチも真似してなダンナの前でやってんけどダンナ、気ぃー失ってんで！
せやからな、ウチもミリアムみたいに痩せたる！
ミリアムは「ゴダールのマリア」('84)、「カルメンという名の女」('84)のジャン・リュック・ゴダール作品の他、「美しさと哀しみと」('85)、「肉体のバイブル・禁断の賛美歌」('86)でも活躍してはってん。フランスで活躍の女優さんやってん。
今、何してはるんやろか？
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「愛にふるえて」のダイアン・レインは、勿論アメリカの女優さんやけど、何でこんなイタリア映画に出たんかが分からんわ！
お金に困ってはったんやろか？まぁー当時、「愛は危険な香り」('87)とかBな作品に出てはったし。
でもここで壷女やってハダカにもなって何か得でもあんの？と思ったら共演のムサ男のクリストファー・ランバートと撮影終了後に結婚しててんで！
笑うやろ？
でもなー、こんなムサ男と結婚してからなダイアンはん、作品の質がドンドン落ちていくんよ！
やっぱムサ男が悪かったんよ！
後にサッサと離婚してからは、ダイアンはんも運気が上がり、お仕事も安定したんやで、奥さん！
ウチも離婚したら運気が、上がるやろか？
でもダイアンはん、この壷女は、忘れたいやろねえ。 |
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ウチも主婦やるより女優やるべきやったわ！
でもなー、やっぱお昼にテレビで映画観て、ゴロゴロしてる方がウチにはお似合いかも。
この醍醐味は止められへんよな！奥さん！ |
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